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喜多流能楽師。
全国津々浦々、謡蹟を訪ねて写真を撮っております。

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奈良の旅〜興福寺・長谷・葛城〜



平成25年5月8日9日、奈良に行きました。8日は特別公開されている興福寺「南円堂・北円堂」と奈良国立博物館の「当麻寺展」を見て、天理市にあるつつ じが有名な「長岳寺」を拝観して来ました。9日は早朝の「長谷寺」、つつじが有名な「葛城山」、能『葛城』のシテの葛城明神を祀り、能『土蜘蛛』の「蜘蛛 塚」がある「一言神社」、最後に探すのに苦心した「蜘蛛窟」など、謡蹟も入れて写真探訪してきました。

では初日の模様から写真でご紹介します。



南円堂創建1200年記念として、25年4月12日から6月2日まで、南円堂と北円堂を同時公開しています。10時半に奈良に着き混雑を覚悟して行くと、さほどの人混みもなく、ゆっくりと鑑賞出来ました。


藤原氏のゆかりの興福寺にちょうど藤が咲いてグッドタイミング。拝観は南円堂(重文)より順になり、後戻り出来ないようになっています。


 

南円堂のチラシの一文「ここでなら(奈良)、通じる祈りがある」が面白い。堂内の不空羂索観音菩薩はとても大きく、見上げるように拝見しました。菩薩は眉間に一目をつけ三ツ目ですが残念ながら見逃してしまいました。写真は堂内撮影禁止のためJRのポスターからのコピーです。


 

この方の御朱印の文字がとてもよいので思わず撮影。

 

北円堂は国宝で、休日は長蛇の列が出来る時もあるらしいです。

 

10〜20ミリの広角レンズにて北円堂。

 

北円堂の弥勒如来坐像(運慶作)は思っていたほど大きくなく、私たちの目線の高さにお座りになっていました。また運慶の代表作というだけではない日本彫刻を代表する名品の「無著菩薩立像」と「世親菩薩立像」はインドの兄弟の僧侶、人種や時代を超えた理想的な仏教の求道者の姿を表しています。写真では「世親菩薩」が小さく見られます。(写真は堂内撮影禁止のためJRのポスターからのコピー)。

 
長岳寺への道

長岳寺はJR柳本駅下車徒歩20分、天理駅と桜井駅をつなぐバスでは「渋谷(しぶたに)」が最寄りのバス停。バス停より長岳寺まで徒歩5分です。

 
崇神天皇陵

長岳寺へ向かう右手に「崇神天皇陵」があります。

 
つつじ1

大門をくぐり抜けると両側に平戸つつじの生垣が続きます。

 

満開のつつじを見ながら玉砂利の参道を歩いていくと楼門(重文)が見えてきます。


 
日本最古の鐘楼門。上層に鐘を吊った遺構があるので「鐘楼門」といいます。

 
本堂、池より

長岳寺は淳和天皇の勅願により弘法大師が創建した古刹です。本堂には阿弥陀三尊や多聞天、増長天などの仏像が安置されています。

 

本堂前の放生池には、つつじとかきつばたが咲いていました。

 
大石棺仏

境内の奥には、大きな「大石棺仏」があり、その周りには石仏群が並んでいます。



夕食は桜井駅近くの、ミシュラン一つ星和食「にしむら」を予約。長岳寺でのんびりと季節の花々をたのしむことにしました。拝堂にて。

 朱印帖

8日の仏閣の御朱印。


二日目
9日の一日をご紹介します。
 

長谷寺入口

宿泊した吉野館から長谷寺はすぐ。早朝5時半はさすがに人がいなくて静かです。


長谷の回廊
 
回廊には朝のお勤めに向かう僧侶たち以外だれもいません。


 舞台

25年5月、躑躅と牡丹が同時に見られる幸運な時に参拝出来ました。


大悲殿

朝のお掃除をする僧。

 
舞台床

お天気にも恵まれ本堂前からの見晴らしは素晴らしい。


 明生舞台にて

ここに立つのはこれで4回目です。



朝日を浴びる五重塔。


五重塔

望遠で五重塔。

 
祈願希望者が集まり、読経のお勤めがはじまる前。この時点ではご本尊の十一面観音菩薩のお姿は拝見出来ません。読経がはじまると、緞帳が上がりお姿が現れました。

十一面観音菩薩 

十一面観音菩薩のお姿は年二回特別拝観(¥1000)でき、観音様の御足に触れる事が出来るそうですが、今回は時間がなく断念しました。写真は長谷寺ホームページより


朝の行、太鼓 

読経に太鼓の音が入りリズムを刻みはじめると、独特の音楽の世界が繰り広げられます。

 

本堂左手側面に曽我地蔵尊があります。曽我兄弟の弟、時致(ときむね)の地蔵尊と言われています。

 
長谷寺から流れる初瀬川。『玉葛』では前シテの玉葛の亡霊がこの川を小舟に乗って現れます。



 

葛城山ロープウエイの麓駅より。つつじが満開の頃は大変な混雑となり、ロープウエイに乗るのに1時間半も待たされます。


 
石楠花が満開、藤も見られて花の見頃でした

 
大和三山

左手前の小さな小山が畝傍山、右の大きな山の手前、麓に小さく見えるのが天香具山。
能『葛城』では「高天の原の岩戸の舞、天香具山も向かいに見えたり」と見上げますが、それほどの高い山ではありません。


 
ロープウエイの山頂駅を降りて、すぐに目の前につつじの群生があると思っていたのですがそれはなく、山頂も徒歩15分ほど登り坂を上がらないと着かないようです。

 
意外と人が少なかった山頂。


 山頂にて

快晴のお天気に恵まれて。

 

山頂から葛城高原ロッジに降りると自然つつじ園が拡がっていました。

 

深山躑躅はまだつぼみで花は見られませんでした。もっとも満開なら大混雑になるらしいので、よかったのかどうだか・・・。


 まだ早いつつじ

深山躑躅は葉を持たないため、咲くとあたり一面真っ赤になるようです。

 


一言神社。能『葛城』のシテは葛城明神、葛城一言主です。ひとつの願い事ならかなえて下さる神様で、地元の人からは「いちごんさん」と呼ばれて親しまれています。


 
本堂右手に謡蹟保存会の駒札がありました。

 

駒札の右手の松の下に蜘蛛塚があります。退治された土蜘蛛はここと本堂裏と鳥居の下の三個所に分けて埋められました。

 
鳥居

鳥居の下の大きな石で蓋をしているのが蜘蛛塚。

 
蜘蛛塚2

ここも大きな石で蓋をして二度と出られないようにしてあります。

 

ワキの独武者の気分で「首討ち落とし」の型の真似。


 

眦敬Э声匐瓩にある道標に「蜘蛛窟」と書かれているのですが・・・。


 
右の森の中あたりに蜘蛛窟があるようなのですが・・・。


 
あぜ道を歩き近づくと、看板はあるのですが扉が開かず入れません。もう見られないのかと一時諦めかけましたが、裏手の山草園からアプローチしてみることに。

 

山草園(入園料¥200)の右手奥の鉄条網越しに蜘蛛窟がありました。見つけにくい謡蹟のNO.1です。


蜘蛛窟
 
能『土蜘蛛』に「汝知らずや我昔、葛城山に年を経る、土蜘蛛の精魂なり」と名乗る場面があります。

 

地元の中野氏の説明書きに詳細が書かれています。蜘蛛窟の石碑の前にお賽銭が置いてあるので、もしかしたら入れたのかもしれない、と気になりましたが、山草園の中から見られることが出来たことで満足して帰路に着きました。

以上、二日間の旅でした。


京都・奈良